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心臓リハビリテーション~心疾患があっても運動を!
インフルエンザの流行により時間が取れず、久しぶりの更新となります。今回は心臓リハビリのお話です。リハビリと聞くと足腰の痛みや脳卒中の後遺症で行われるリハビリを思い浮かべる方が多いと思いますが、心疾患をお持ちの方に対して行われるリハビリがあります。これを心臓リハビリ(心リハ)と言います。心リハの方法や対象となる疾患についてお話しします。
今日は心筋梗塞のために入院されていたAさんが外来を受診されました。
こんにちは。
じつは3週間前に心筋梗塞になりまして…幸い重症ではなかったので1週間程度入院して、2週間前に退院したんですよ。
Aさん、それは大変でしたね。軽症で済んで、不幸中の幸いと言ったところですね。
ところで退院して何か困ったことはないですか?
そうですね…
心筋梗塞になる前は、ウォーキングの習慣があったんですが、なんだか運動していいのか不安で。心臓が悪い人って運動してもいいんでしょうか?
心疾患を経験した方の中には、Aさんと同様の不安・疑問をお持ちになる方が多くいらっしゃいますよ。実は運動は心疾患を経験した方々にとって、非常にメリットが多いんですよ。
そうなんですね。じゃあ、さっそく明日から運動を始めようかな!
Aさん、ちょっと待ってください。運動はメリットが多いのですが、注意点もあるんですよ!
やみくもに運動して心臓への負荷が大きすぎると、不整脈が起きたり、胸痛が生じたりと心疾患が悪化してしまう可能性があります。ですので、心疾患を有する方は、疾患の状態をしっかり把握した上で、適切な種類の運動を適切な時間と頻度で行う必要があります。
適切って言われても…病気をする前の運動を再開しようと思っていましたよ。
心筋梗塞で短期間とはいえ入院もされていますので、少なからず体力が低下していると思います。心疾患を患った方を対象としたリハビリテーションプログラムを用意していますので、一緒に取り組んでみませんか?
分かりました。どの程度動いてよいか不安な部分もあったのでお願いします!
心リハの対象となる方
虚血性心疾患や慢性心不全などの心疾患を有する方、心臓術後の方が対象となります。これらの疾患以外でも対象となる疾患がありますので、興味のある方はお気軽にお尋ねください。
安静の弊害
過度な安静は、筋力低下や精神的な落ち込み(デコンディショニング)を招き、逆に予後を悪化させます。現在のガイドラインでは、心不全や狭心症の患者さんにおいて、心リハが再入院リスクの低下(30〜40%減)や生命予後の改善に極めて有効であると強く推奨されています。
心リハの効果
心臓リハビリテーションは予後の改善(死亡率、再入院率、再発率の低下)が証明されている非薬物療法です。予後の改善のみならず、運動能力(体力)を改善することで息切れ、動悸などの自覚症状の改善も期待できます。
健康保険の適応について
原則としてリハビリ開始から150日間は保険診療で行われますが、効果が不十分と判断される場合は継続的なリハビリを行っています。

