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期外収縮について①~自覚症状がないのに不整脈…?
今日は健康診断の心電図で不整脈の一種である「期外収縮」を指摘されたYさんが外来を受診されました。
期外収縮と診断された場合、どのような点に注意したらよいでしょうか?
こんにちは。
先日、健康診断の結果が返ってきたのですが、「心室性期外収縮(頻発)」と書かれていて、心配で受診しました。動悸とか息切れとか、自覚症状はないんですけど…
Yさん、こんにちは。
「心室性期外収縮」ですね。頻発と書かれると心配になりますね。心電図を見てみましょう。
正常の心拍は一定のリズムを刻みますので、通常であればここ(●マーク)のところで生じるはずです。期外収縮は本来のリズムよりも早期に出る心拍の事です(心電図の★マーク)。予期していたタイミング以外に起きる心臓の収縮であるため、「期外収縮」という名前で呼ばれます。
症状はないのですが、このままで大丈夫なのでしょうか?
期外収縮は背景に心疾患が隠れていることがあるので、エコーや採血で心疾患の有無を調べることが重要です。背景に心疾患がある場合は、その治療を行う必要があります。心疾患がない場合は、大事に至ることはまずありませんが、症状の強さや期外収縮の頻度により治療の要否を判断しています。まずは採血やエコーを行ってみましょう!
心臓には心房と心室という2種類の部屋があります。共に左右に存在するため、合計で4つの部屋があります。期外収縮は心房から出る「心房性期外収縮」と心室から出る「心室性期外収縮」の2種類があります。いずれの場合も背景にある心疾患(基礎心疾患)の有無を確認することが重要です。当院ではエコーや採血で基礎心疾患の有無を確認しています。心疾患がない場合、期外収縮が大事に至ることはまずありません。頻度が多いと判断される場合は、Holter心電図と呼ばれる24時間の心電図検査を行い、その頻度を確認しています。全心拍の5-10%以上が期外収縮の場合は、無症状であっても期外収縮そのものが心機能に影響を与える可能性があるため、経過観察をお勧めしています。